M&Aのクロージングとは?当日の流れ・必要書類と、クロージング前後に確認したいポイント

クロージングとは、M&Aの最終契約の後に、株式や事業の引渡しと譲渡代金の支払いを行い、経営権を買い手に移す手続きです。前提条件、当日の流れと受け渡す書類、クロージング後の手続きと、売り手・買い手が確認したいポイントを解説します。
M&Aのクロージングとは
クロージングの意味
クロージングとは、最終契約を結んだ後に、株式や事業の引渡しと、譲渡代金の支払いを行う手続きです。中小M&Aガイドラインでは、「最終契約の決済」と説明されています(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.21/中小企業庁、2024年8月30日公表)。クロージングによって、会社や事業の経営権が売り手から買い手に移ります。
最終契約で決める内容は、「M&Aの最終契約とは?最終契約書で決める主な内容と、締結前に確認したいポイント」で解説しています。
M&Aのどの段階で行うのか
クロージングは、最終契約の後、従業員・取引先への説明と引継ぎの前に行います。M&A全体の流れの中では、次の10〜12のうち、11にあたります。全体の流れは、「M&Aの流れとは?検討から成立後まで、進め方を順を追って解説」で解説しています。

- 最終条件の調整と最終契約の締結:デューデリジェンス(DD)の結果を踏まえて条件を調整し、最終契約を結ぶ
- クロージング:最終契約で定めた条件を満たしたうえで、株式や事業の引渡しと代金の支払いを行う
- 従業員・取引先への説明と引継ぎ:関係者に伝え、経営を引き継ぐ
最終契約の締結(サイニング)との関係
最終契約の締結は「サイニング」と呼ばれることもあります。最終契約とクロージングは、同じ日に行うこともあれば、日を分けて行うこともあります。
中小M&Aガイドラインでは、中小M&Aは最終契約からクロージングまでの期間が短いことが多いとされています(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.55/中小企業庁、2024年8月30日公表)。当社の支援経験でも、最終契約とクロージングを同じ日に行うことがあります。一方、許認可の取得や取引先の同意など、クロージングまでに済ませる手続きがある場合は、その分の期間を空けます。期間の考え方は、「M&Aの最終契約とは?」の「締結からクロージングまでの期間」で解説しています。
クロージングで何を引き渡すかは、M&Aの方法によって変わります。株式譲渡では株式を、事業譲渡では事業に属する資産や契約などを引き渡します。違いは、「株式譲渡と事業譲渡の違いとは?引き継ぐ範囲・手続き・税金と選び方」で解説しています。
クロージングの前提条件
前提条件とは
クロージングの前提条件とは、クロージングまでに満たしておくべき条件です。「クロージング・コンディション」とも呼ばれます。最終契約では、売り手のクロージングの前提となる条件と、買い手のクロージングの前提となる条件を、それぞれ定めます(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.18・41/中小企業庁、2025年12月15日時点版)。
主な前提条件の例
前提条件は案件によって異なります。主な例は次のとおりです。
| 前提条件 | 主な内容 |
|---|---|
| 表明保証が正確であること | 相手方の表明保証が、クロージング日にも真実かつ正確であること(軽微な誤りを除く例がある) |
| 義務を果たしていること | 相手方が、クロージングまでに行うと約束した義務を果たしていること |
| 会社の承認 |
|
| 許認可 | 事業に必要な許認可の取得や届出 |
| 取引先などの同意 | 重要な取引先や賃貸人の同意。事業譲渡では、取引先との契約を引き継ぐための承諾 |
| 経営者保証 | 経営者保証の解除について、金融機関の意向を確かめること |
(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.17〜19・39〜41/中小企業庁、2025年12月15日時点版)
取引先との契約に、株主が変わったときに相手方が契約を解除できる条項(COC条項、チェンジ・オブ・コントロール条項)がある場合は、事前に相手方と協議し、同意を得ておくことが必要になることがあります(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.22・56/中小企業庁、2024年8月30日公表)。表明保証については、「M&Aの表明保証とは?主な項目と、違反したときの補償・売り手が注意したいポイント」で解説しています。
前提条件が満たされない場合
前提条件が満たされない場合、その条件によって守られる売り手または買い手は、契約の定めに従い、クロージングを断ることができます。
また、契約によっては、条件を放棄してクロージングに進むこともできます。ただし、条件を放棄しても、相手方の表明保証違反などの責任が当然になくなるわけではありません(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.18/中小企業庁、2025年12月15日時点版)。
前提条件の違反が是正されない場合に契約を解除できるかどうかは、「M&Aの最終契約とは?」の「契約の解除と、その他の条項」で解説しています。
クロージングまでの準備
前提条件を満たすための手続き
最終契約を結んだら、前提条件の項目ごとに、売り手・買い手のそれぞれが、いつまでに何を行うかを決めて進めます。例えば、株式譲渡を承認する取締役会の決議、許認可の申請、取引先からの同意書の取得などです。M&A専門業者(M&A仲介・FA)は、クロージングに向けて、最終契約に定めた事項の実行を支援します(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.73/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
クロージングまでの間、売り手は、対象会社の事業を通常の事業活動の範囲内で運営することなどを約束するのが一般的です。この約束(誓約事項)は、「M&Aの最終契約とは?」の「誓約事項(クロージングの前後に守ること)」で解説しています。
借入金・担保と経営者保証の調整
会社の借入金に担保が付いている場合は、担保の解除(担保抹消登記)について、取引金融機関との調整が事前に必要になることがあります(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.56/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
経営者保証は、M&Aによって解除できます。ただし、株式を譲渡するだけで自動的に解除されるわけではありません。正式な解除や買い手への切り替えは、クロージングを経て、登記簿上の代表者が変わった後に行います。そのため、秘密保持を徹底したうえで、最終契約またはクロージングの前に、買い手とともに金融機関へ相談しておくことも考えられます。ただし、秘密保持の観点から、金融機関への相談がクロージング後になる場合もあります(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.51/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
買い手が自らの資金で会社の借入金を返済し、別に借り換える場合は、クロージングと同時に返済することを買い手の義務とする方法もあります(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.20/中小企業庁、2025年12月15日時点版)。経営者保証の解除の進め方は、「【売り手向け】M&Aのメリット・デメリットとは?譲渡前に知っておきたいポイントを解説」のFAQでも解説しています。
司法書士との段取り
不動産の移転や担保の抹消、役員の変更など、登記が必要な手続きがある場合は、クロージングで登記に必要な書類を受け渡すことがあります。司法書士と日程を調整し、当日の段取りを準備します(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.56・98/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
事業譲渡で不動産を引き継ぐ場合は、最終契約の前の早い時期に、司法書士に必要な書類を確認しておくことが望ましいとされています(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.130/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
事前の最終確認(プレクロージング)
クロージングの前に、売り手・買い手と専門家で、次の点を確認しておく方法があります。この事前の確認は「プレクロージング」と呼ばれることもあります。
- 前提条件がすべて満たされているか
- 当日に受け渡す書類がそろっているか
- 送金の手順(金額・振込先の口座・着金を確認する時刻)
当日になって書類の不足や送金の遅れが分かると、クロージングを延期しなければならないことがあります。事前に確認しておくと、当日の手続きを円滑に進められます。
クロージング当日の流れ
当日の流れ(一例)
クロージング当日の進め方は、法令などで決まっているわけではなく、契約の内容や案件によって異なります。一例として、次のような流れで進みます。
- 前提条件と書類の確認:前提条件が満たされていること、受け渡す書類や株券などがそろっていることを、売り手・買い手で確認する
- 譲渡代金の送金:買い手が、契約で定めた口座に譲渡代金を振り込む
- 着金の確認:売り手が、譲渡代金が入金されたことを確認する
- 書類・株券などの引渡し:着金の確認と引換えに、売り手が株券や必要書類を引き渡す
- その後の手続きへ:株主名簿の名義書換など、当日に行う手続きもある。詳しくは「クロージング後に行う主な手続き」で説明する
譲渡代金の入金を確認する
代金の支払いと書類の引渡しは、引換えに行うのが基本です(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.17/中小企業庁、2025年12月15日時点版)。例えば、書類を事前に双方で確認しておき、着金を確認したうえで、その場で引き渡す方法があります。
中小M&Aガイドラインでも、特に、買い手から譲渡代金の全部または一部が確実に入金されたことを確認することが必要とされています(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.56/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
代金の一部をクロージング後に支払う条件(分割払いや、業績に応じて追加の代金を支払うアーンアウト条項など)がある場合の注意点は、「M&Aの最終契約とは?」の「売り手が最終契約で確認したい5つのポイント」で解説しています。
クロージングで受け渡す主な書類
受け渡す書類は、契約の内容や会社の状況によって異なります。ここでは、中小M&Aガイドラインの契約書サンプルに挙げられている例を紹介します。
株式譲渡の場合
売り手が買い手に引き渡す書類の例は、次のとおりです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 印鑑証明書 | 売り手(株主)の印鑑証明書 |
| 株券 | 株券を発行している会社の場合 |
| 議事録の写し | 株式譲渡を承認した取締役会などの議事録の写し |
| 辞任届 | 退任する取締役・監査役の辞任届 |
| 株主名簿の写し | クロージング日の前日時点の株主名簿の写し |
(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.17/中小企業庁、2025年12月15日時点版)
事業譲渡の場合
事業譲渡では、事業に属する資産や契約を一つずつ引き継ぎます。売り手が買い手に引き渡すものの例は、次のとおりです。
| 書類・財産 | 内容 |
|---|---|
| 引継書と引き継ぐ財産 | 引き継ぐ財産の細目を記載した引継書と、その財産 |
| 帳簿類・取引先リスト | 関係する証憑・帳簿類、取引先のリスト |
| 議事録の写し | 事業譲渡を承認した株主総会の議事録の写し |
| 登記に必要な書類 | 不動産を引き継ぐ場合など |
(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.40〜41/中小企業庁、2025年12月15日時点版)
その他、経営に必要な物品・情報の引渡し
上の表の書類のほかに、会社の実印・銀行印、通帳、事務所の鍵、インターネットバンキングなどの管理に必要な情報など、経営に必要な物品や情報を引き渡すことがあります。何を引き渡すかは案件によって異なり、株式譲渡と事業譲渡でも対象が変わります。引き渡すものの一覧を事前に作り、売り手・買い手で確認しておきましょう。
クロージング後に行う主な手続き
クロージングの後も、名義の変更や登記、引継ぎなどの手続きが続きます。中小M&Aガイドラインでは、株式譲渡・事業譲渡に共通するものと、それぞれに特有のものが示されています(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.56〜57/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
株式譲渡の場合
- 株主名簿の名義書換:株券を発行しているかどうかにかかわらず、株主名簿の名義を売り手から買い手に書き換えます。
- 役員の変更と登記:代表者を変更する場合は、必要な株主総会・取締役会の決議と、変更の登記を行います。
- 役員退職慰労金の支払い:売り手が退任する場合、契約で定めた役員退職慰労金を、クロージング後に支払う例があります。
(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.57/中小企業庁、2024年8月30日公表、中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.17・20/中小企業庁、2025年12月15日時点版)
事業譲渡の場合
- 財産の移転の手続き:不動産の登記など、引き継いだ財産を第三者に主張するための手続きを行います。契約書サンプルでは、クロージング日後30日以内に完了すると定める例が示されています。
- 売掛金・買掛金の整理:売掛金の振込先口座を変更し、クロージング後の入金・支払いを売り手・買い手の間で精算します。
- 人事・労務の統一:転籍した従業員の給与体系や就業規則などを統一します。
- 費用の精算:固定資産税や公共料金などを、クロージング日を境に日割りで精算する例があります。
(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.57/中小企業庁、2024年8月30日公表、中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.40/中小企業庁、2025年12月15日時点版)
共通して行うこと
- 関係者への報告:役員・従業員・取引先などに、M&Aが成立したことを伝えます。中小M&Aガイドラインでは、関係者には、原則として可能な限りクロージング後(早くとも最終契約の後)に知らせるべきとされています。
- 契約の名義変更と保証の切り替え:リース・賃貸借・借入れなどの契約の名義変更、経営者保証の解除、保証人の変更を行います。これらの手続きについては、クロージング前から相手方との協議を始めることが多いとされています。
- 業務の引継ぎ:業務の流れや管理体制を引き継ぎます。
(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.31・56/中小企業庁、2024年8月30日公表)
こうした引継ぎの作業には、3か月〜1年程度かかることが多いとされています。ただし、期間は案件によって異なります(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.57/中小企業庁、2024年8月30日公表)。従業員・取引先への伝え方は、「M&Aの流れとは?」の「12. 従業員・取引先への説明と引継ぎ」で解説しています。
売り手がクロージングで確認したい4つのポイント
1. 譲渡代金の入金を確認してから、書類を渡す
株券や書類は、譲渡代金の入金を確認したうえで引き渡します。着金の確認方法(通帳の記帳、インターネットバンキングの画面など)と確認する時刻を、事前に買い手と決めておきましょう(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.56/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
2. 経営者保証と担保の解除の段取り
経営者保証や担保の解除が、いつ、誰によって進められるかを確認します。ガイドラインの株式譲渡契約書サンプルには、クロージング後に経営者保証が解除されない場合に、売り手が契約の解除や株式の買い戻しをできる条項の例があります。例えば、クロージング日から14日以内に買い手が金融機関へ具体的な相談を始めない場合や、3か月を経過しても解除されない場合などです(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.22/中小企業庁、2025年12月15日時点版)。
最終契約で定めておきたい内容は、「M&Aの最終契約とは?」の「1. 経営者保証の解除が、契約に書かれているか」で解説しています。
3. 従業員・取引先に伝える時期と方法
M&Aを関係者に伝える時期は、原則として、可能な限りクロージングの後とされています(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.31/中小企業庁、2024年8月30日公表)。誰に、いつ、どのように伝えるかを、買い手と相談して決めておきましょう。
4. クロージング後の引継ぎと、相談先
最終契約で引継ぎへの協力を約束した場合は、それを果たす必要があります(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.56/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
また、M&A専門業者による支援は、基本的にクロージングの時点で終わります。クロージング後に、経営者保証が円滑に切り替わらないなど、買い手との間でトラブルが生じた場合は、早めに弁護士に相談しましょう(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.57/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
買い手がクロージングで確認したい3つのポイント
1. 前提条件がすべて満たされているか
売り手の表明保証がクロージング日にも正確か、許認可や取引先の同意などがそろっているかを確認します。条件が満たされていないまま、条件を放棄してクロージングに進む場合は、その影響を理解したうえで判断しましょう。条件を放棄しても、売り手の表明保証違反などの責任が当然になくなるわけではありません(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.18/中小企業庁、2025年12月15日時点版)。
2. 受け取る書類と、登記・名義変更の段取り
受け取る書類の一覧と、登記や名義変更を誰が、いつまでに行うかを確認します。登記に専門的な知見が必要な場合は、司法書士などの専門家に関与を求めます(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.98/中小企業庁、2024年8月30日公表)。
3. クロージング後の経営体制を整える
クロージングの直後から、会社を運営できる体制を整えます。
- 役員の選任:役員を変更する場合は、必要な選任手続きを行います。代表者を変更する場合は、変更の登記も行います。
- 金融機関への連絡と経営者保証の解除:クロージング前から金融機関と調整していた経営者保証の解除について、クロージング後に必要な手続きを速やかに進めます。事前の相談ができなかった場合は、クロージング後すぐに相談を始めます。
- 事業運営の引継ぎ:売り手から、日々の事業運営に必要な業務を引き継ぎます。
(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.51・57/中小企業庁、2024年8月30日公表、中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.20〜21/中小企業庁、2025年12月15日時点版)
買収後の統合作業(PMI)は、クロージングの後に本格的に行いますが、準備はクロージングの前から進めることが重要です。PMIの準備については、「【買い手向け】M&Aにおけるリスクとは?失敗を防ぐための対策と注意点を解説」で解説しています。
FAQ
クロージング日はどのように決めますか?
クロージング日は、最終契約で定めます。前提条件を満たすのに必要な期間、金融機関や司法書士との調整、会社の事務手続きなどを考えて決めます。手続きの都合などで必要がある場合に、売り手と買い手が協議してクロージング日を変更できると定める例もあります(出典:中小M&Aガイドライン(第3版)参考資料7「各種契約書等サンプル」 p.16・38/中小企業庁、2025年12月15日時点版)。
クロージング後の引継ぎには、どのくらいの期間がかかりますか?
中小M&Aガイドラインでは、クロージング後の引継ぎの作業には、3か月〜1年程度かかることが多いとされています。ただし、期間は案件によって異なります(出典:中小M&Aガイドライン(第3版) p.57/中小企業庁、2024年8月30日公表)。売り手の経営者が会社に残る期間や立場は、買い手との交渉で決め、最終契約に定めます。経営者がすぐに退任するかどうかは、「M&Aとは?意味・仕組み・流れを中小企業経営者向けに分かりやすく解説」のFAQで解説しています。
まとめ|クロージングで、M&Aが成立する
クロージングは、最終契約の後に、株式や事業の引渡しと譲渡代金の支払いを行い、経営権を買い手に移す手続きです。クロージングまでに前提条件を満たし、当日は入金を確認したうえで書類を引き渡します。クロージングの後も、名義の変更や登記、経営者保証の解除、業務の引継ぎが続きます。
売り手は、入金の確認、経営者保証の解除の段取り、関係者に伝える時期を確認しましょう。買い手は、前提条件がそろっているかと、クロージング直後の経営体制を確認しましょう。当日の段取りは、M&A専門業者や弁護士、司法書士と事前に確認しておくことが大切です。
最終契約で決める内容は「M&Aの最終契約とは?最終契約書で決める主な内容と、締結前に確認したいポイント」、表明保証は「M&Aの表明保証とは?主な項目と、違反したときの補償・売り手が注意したいポイント」、M&A全体の流れは「M&Aの流れとは?検討から成立後まで、進め方を順を追って解説」で解説しています。


